たまに、一人でふらっと川だの海だのに釣りに出かけることがあります。
出かける度に嫁さんに嫌な顔をされて、逃げるように釣りに出かけるんですが今回は違います。
息子の
「お父さん、釣りに行ってみたい」
その一言で、嫁さんは早起きして、弁当まで持たせてくれました。
(こんなにも対応が違うならいつも息子を連れて行くべきだな)
そう思った私は、何としても息子に釣りの楽しみを経験させて、「また行きたい」と言わせようと、強い決意を胸に出かけたのでした。
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今回のそんな息子の接待のような釣りの舞台に選んだのは、福岡市海づり公園です。
福岡市海づり公園ホームページ
その理由としては
- いつ行っても多くの釣り人が来ているので釣り場にエサが多い
- そのエサをめがけて多くの魚も寄って来る
- ゆえに坊主って事は滅多にない
- 有料ながら四時間は遊べるので、初心者の息子にはちょうど良い時間
釣りデビューで坊主ってはどうしても避けたいですからね~。なんせ息子に「釣りって面白い」と言わせることが目標ですから。
この福岡市海づり公園は、この季節だと午前6時から釣る事が出来ます。
この日、私たちは午前7時くらいに到着しました。今の時期は人出が多く、早い時間でも駐車場が満車になっていることもあります。
入口で受付して売店まで歩きます。
売店でエサと仕掛けを購入。息子の竿は仕掛け付きの貸し竿にしました。
仕掛けは、サビキ仕掛けです。釣り糸の一番下にエサかごが付いていて、その中にエサ(オキアミ)を入れます。
かごの上には釣り針が並んでいて、バラけたオキアミに寄って来た魚が、オキアミに紛れた釣り針をパクッとくわえて釣れる、という仕掛けです。
早速ポイントを決めますが、既に駐車場からこの売店までけっこうな距離を歩いてます。
いつもなら丁字のような一番奥のさらに右突堤の端っこに陣取るんですが、更に息子をそこまで歩かせる事は躊躇しました。
竿を手にして、今すぐ始めたいって感じでワクワクソワソワしていましたから(笑)。
そこで、売店直ぐの一番手前に陣取り、急いで息子の釣り竿を伸ばして、かごにオキアミを詰めて、リールのレバーを倒してチャポンと投げ込んで息子に竿を持たせました。「いいか、竿を上下に軽く揺さぶってエサをバラけさせると、魚が寄って来て餌と間違えて釣り針に食いつく。そしたら竿にその感触が伝わるからリールを巻き上げるんだぞ」
さあ、いよいよ息子の釣りデビューです。
期待と緊張がその表情でわかります。
それを見て、私も自分の竿と仕掛けを準備しようと竿を伸ばしている最中に
「お父さん、釣れた~」
息子の方を見ると、いきなり2匹釣れています。とても嬉しそうながら、少しこわばったような笑顔でこちらを見ています。
「やったな~、お前上手いぞ~」
そう言いながら、息子の釣り糸を手繰り寄せて、釣れた小鯛2匹を針から外してバケツに入れました。
釣れた魚を見て、本当にうれしそうな様子の息子。かごにまたオキアミを詰めてやり、今度は息子が自分でリールを操作して自分で投げ込みました。私も準備がおわり、二人並んで釣り始めました。
釣り始めから運よく魚の群れに出くわしたようで、息子も私も次々とヒットしました。
息子が釣り上げる度に、私は自分の竿を置いて、魚を外し、エサを詰めてやっていましたが、釣っているうちに二人同時にヒットする状況になりました。
すると息子は、状況を理解したらしく、釣り糸を手繰り寄せて、自分で魚を外しバケツに入れオキアミをかごに入れ、投げ込みました。
これには感心しました。どうやら私の一連の動作をちゃんと見ていたようです。
初めての釣り場に来て興奮している息子に、仕掛けやリールの操作や、魚の外し方などを事細かく教えたのでは、息子のせっかくの気分を害すると思って、先ずはやって見せたことが功を奏したようです。
子供って、見様見真似が直ぐに出来たりするから不思議です。
魚によっては針を飲み込んでいたりすることもあるので、その時は私が外してやりましたが、その後はほとんど自分でエサ詰めと魚外しをする事が出来るようになりました。
釣り始めの接待のような釣りとは明らかに違ってきました。
我が息子ながらなかなか頼もしい奴です。
そうやって一通りの事は出来るようになった息子でしたが、しばらくすると竿を置いて、リールを見ながら困っている様子です。
近寄ってみると、リールに釣り糸が絡んでいて、私に頼らずに自分で直そうと奮闘しています。
初心者ですから糸をもつれさせるのは当然です。これを直すのは息子には時間が掛かると判断して、竿を交換して私が糸のもつれを直します。
「やっちゃったか~。最初はみんな失敗するもんだ。お父さんの竿と交換だ」
しばらくするとまた息子の釣り糸がもつれています。また竿を交換します。
慣れてきたかな~と思った頃にまたもつれています。
しかし、ここで叱ってはいけません。
この海づり公園も含めて、私はあちこちの釣り場で糸をもつれさせた子供を叱るお父さんを見たことがあります。
叱られた子供はべそをかきながら座り込み、その隣でイライラしながらもつれた糸を直しているお父さん。
もつれた糸を必死になって直そうとしている子供を叱りながら、自分だけ釣りを続けるお父さん。
きっとそんな経験をした子供はしばらくは、ひょっとするともう二度とお父さんとの釣りには付いて来ないかもしれません(少し大袈裟かも)。
そんな親子を見てたんで、私は今まで息子を釣りに誘った事はありませんでした。息子が自分から釣りに行きたいと言うまでこっちから押し付ける事はしないでおこうと思っていました。
連れて行かれてやるよりも、自分から言い出してやるほうが、釣りに興味が沸いたという事でもありますし、積極的に覚えようとするだろうと考えていたんです。
初心者の息子が糸をもつれさせるのは想定内、当然の事です。
その度に竿を交換してやればいいだけの事です。息子が自分で直すと言うまではそれでいいんです。
釣り始めて2時間くらい経つと、どうやら群れがいなくなったらしく、最初のように次々とヒットするような状況ではなくなってきました。
たま~に釣れるくらいで、かごにエサを入れては投げるの繰り返しで・・。息子が飽きてくるかもしれないなと心配したんですが、そんな心配は無用でした。
息子は仕掛けの事や、魚の事、道具の事、さらにはどうして糸がもつれてしまうのかといった事をずっと質問してきます。
どうやら完全に釣りが好きになったみたいです。
そうこうしているうちに4時間が過ぎて、帰りの途に就きました。
最初は息子の接待のような釣りで、どうなることかと思いましたが、息子との貴重な時間を取る事が出来て、息子の成長も実感出来、大成功となった釣りデビューでした。
この日の釣果は
- アジゴ5匹
- 小鯛14匹
- サヨリ5匹
- 不明1匹
でした。
帰宅後すぐに開いて
全部から揚げにします。このくらいの大きさの魚だったら骨までカリッと食べられます。
ここまでが私の役割です。
すると嫁さんも作ってくれました。
美味しくいただきました。
もちろん息子は「また連れて行って。今度は自分の竿が欲しい」と大満足のようでした。
しばらくは嫁さんの顔色を気にせずに釣りに出かけられそうです。それでは~。
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